ユニトロンの屈折と日本精光はどういう繋がりがあるのか?
天文家の間で幻ともうたわれる国産メーカー「日本精光」とアメリカの「ユニトロン」の関係についてご紹介いたします!
日本精光とは?
1930年代から90年代にかけて存在した日本の望遠鏡メーカーです。
アクロマート屈折鏡筒を主力としていましたが、中には大型ドームに設置される商用向けの屈折赤道儀も手がけていました。
レンズには主にツァイス製のものが使われていたようです。口径は控えめながらサイズ感のある造形はとても優雅です。
これだけの魅力の要素があり、しかも国産でありながらほとんどの情報が残されていません。
その理由は日本精光の天体望遠鏡は創業から間もなく海外の市場へ送り出されることになりしばらくの間は国内のマーケティングは行っていなかったことにあります。
次第に天文家の間でウワサとなり、その存在が知られるようになったものの
海外からの発注生産に追われていて国内に出回る数は少なかったと伝えられています。
日本精光の望遠鏡の魅力
設計自体は今では古典的といえますが、良き職人の技を感じる、細部にまで渡る仕上げの徹底ぶりは本当に見事です。
その証として海外の天文家にはUNITRONのヘビーユーザーや愛好家によるファンサイトが立ち上げられているほど。
ユニトロンの他にもポーラレックスをはじめ、日本ではあまり名の通っていない他の天文メーカーへの供給もいたようです。
UNITRONについて
1952年にユナイテッドトレーディングカンパニーを立ち上げたLawrence A.Fineは妻とアメリカの市場に出回っている天文製品よりも高い品質を持つものを探すため日本に向かいます。
ここで日本精光に出会い、同年に4~10cm口径の屈折を輸入してユニトロン名義で販売がされるようになりました。
60年代には天文台の顧客に向けた大型機のラインも追加されました。
その後光学メーカーに買収され、間もなく代表のファインとパートナーのエレンは不幸にあいこの世を去ってしまいます。
UNITRONのアマチュア向けの天文ラインナップは1992年に日本精光が業務を停止するまで継続されていたようですが、それ以降は業務用の光学機器のみを取り扱っています。
日本精光の望遠鏡は今でも売れる?
情報が残されていなかったUNITRONですが、ネットの普及によって認知度が高まっています。
国内でも注目している方や買い求めている方は多く、現存品があれば基本どのタイプでも買取が可能になっています。
当店では、過去に野ざらしになっいたピラータイプの6cm屈折望遠鏡の買取と引き取りの実績があります。
クレーンの導入で大きなモデルも受け付けが可能となりました!
ユニトロンに限らず同様の機器を売却される際にはぜひ当店にご一報いただければ幸いです。